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Channel: 一瞬に永遠が刻まれて
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思い出の定位置

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急行はまなすのドリームカーのうちの1両、5号車の目の前に位置する駅のベンチ。私の中での定位置は、写真の一番左手前のベンチ。
私にとっての弘前への移住はこのベンチから始まり、今でも時々ここで急行はまなすを待つ、思い出の定位置。

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5年前の2011/07/23(土)、私はここに座り急行はまなすの入線を待っていたが、一足早くやってきた特急つがるから降りて来られた方と一瞬目が合った(と思う)。
その後、急行はまなすの撮影のため一旦この場を離れたが、再度この場に戻り乗車予定の5号車5番A席をホームから見ると、先の方が隣の5号車5番B席におられてまた目が合った(こちらは間違いない)。
珍しい偶然への驚きと、当時まで抱えていた対人関係作りへの不安から隣に向かおうかしばし悩んだが、「本日の指定席は満席」のアナウンスにも押され結局隣へお邪魔することに決めた。
背後から向かい、私が声をかけようとした時、その方が一足早く振り返り元気な挨拶をくれた。
「(後ろから近づいたのに)なんで分かるの?」とまた驚きながらも、青森の夏祭りの話題を中心に話は弾んだ。対人関係作りへの不安はもはや感じていなかった。
その方は弘前の方だというがほぼ訛りを認識できない、しかし確かに青森の夏祭りをよく理解されていたから本当に弘前人なのだろう。
不思議な方だった。

急行はまなすが夜明けを迎え、その時の一瞬のやりとりから、私は隣の方と交流を続けたいな、と強く思った。そのようなことを自発的に思ったのは初めてだった。
しかし、そこにきて「対人関係作りへの不安」が顔を出してしまい、悩んでいた…最終的に私は断腸の思いで「交流を続けないことにする」ことにした。
そして急行はまなすを下車した直後、別れ際に再び一瞬のやり取り…そうしてしまったのは間違いだったのではないだろうか?でも、気のせいではないだろうか?すっきりしない別れになった。

直後からこの体験が一切忘れられなくなった。
再会を願って頻繁に青森や弘前に出向くようになった。
それまでは知らなかった場所にも出向くようになった。
それまでは敬遠していた冬でも構わず出向くようになった。
地元の方との繋がりもできた。
次第に青森や弘前に魅せられた。
そして私は今、弘前にいる。

JR津軽線 青森駅
Canon EOS-1D X + Tamron A007 (24mm)
0.8sec F8 ISO200
2016.03.05

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